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金沢大学の三学域体制への再編に伴い、理学部計算科学科は理工学域数物科学類計算科学コースとなりました。 また大学院自然科学研究科数物科学専攻IIコースも数物科学専攻計算科学コースとなりました。 新しいホームページ http://cmpsci.s.kanazawa-u.ac.jp/CompCourse/ も是非ご覧ください。

 

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理学部 計算科学科・自然科学研究科 数物科学専攻 IIコース
研究内容紹介・力学系(伊藤秀一)

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研究テーマ

微分方程式の解の定性的研究から始まった「力学系理論」という分野、とくに、古典力学を記述するハミルトン力学系とよばれる分野が専門です。そのなかでも、可積分系とそれに近い系の性質に興味があります。

 

たとえば、太陽系の惑星の運動は2体だけ(たとえば太陽と地球)の相互作用だけを考えれば、運動方程式の解はケプラーの法則を満たす楕円運動になります。この場合、運動方程式である微分方程式から楕円運動の式が具体的に導かれるので、この方程式は「解ける」とか「可積分系」であるといいます。ところが、3つ目の天体との相互作用を考えたとたんに、その微分方程式の解の様子はわからなくなってしまいます。

 

そのような解けない方程式の解が複雑で不規則な動きをすることはカオスと呼ばれ、力学系理論の研究の中心的なテーマの一つになっています。3体問題の中でも、小惑星の運動を問題にするとき(制限3体問題といいます)は可積分系に近いため、可積分系と似た性質とカオスの性質が入り混じった興味深い世界が出現します。このような可積分系に近い方程式を近可積分系といいますが、その解のふるまいは数学的にはまだわからないことだらけです。その解析には、時として可積分性の意味を反 省してみることも必要であり、現在はそのような観点から近可積分系に 迫ろうとしています。

 

近可積分系の研究では、可積分系と似た性質を示したKAM(Kolmogorov-Arnold-Moser)理論と呼ばれる結果が有名で、その周辺の研究が非線形物理の研究者を中心にさかんに行われています。その多くは数値実験(シミュレーション)によるものですが、それらを数学的に厳密に取り扱うことにも興味をもっています。

 

ハミルトン力学系の研究は長い歴史をもつものが多く、変分法やシンプレクティック幾何をはじめとする数学のさまざまな分野や、非線形物理、天体力学などとも関連する、非常に豊かな内容をもっています。若い人にぜひ挑戦してほしい分野です。

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4年セミナー・大学院セミナーについて

4年卒業研究(セミナー)では、力学系や微分方程式に関する基本的なテキストを読みます。何のテキストを読むかは、受講希望者との相談で決めます。また適宜、微分方程式の解を数値計算によって調べることも行います。

 

大学院生の指導でも、まずきちんとした数学の力をつけてもらうために、最初は基本的なテキストを読むことが普通ですが、上で述べたような問題を自ら発見していくためには、計算機を用いたシミュレーションは重要な意味があります。セミナーを通じて学生は自分の興味の方向を修士論文のテーマに向けてしぼっていきます。修士論文では、興味ある論文を読んだり、興味ある具体的な方程式についての数値実験などから、新しい問題を発見していきます。